音楽業界はいろいろな意味で厳しいです。
不況や災害など、大きなネガティブイベントが起こると、まず最初になくなるのが、
私たちのような音楽サービス事業です。
しかし、音楽は人間にとって絶対に欠かすことのできないものであるのは、
間違いのないことです。
事実、ネガティブイベントが起こり、ライフラインの復旧や衣食住など
ある程度落ち着いてくると、
次は心の療養で、音楽がとても必要とされてきます。
体の怪我は、手当や手術などで治すことができます。
それでは、心の傷はどのように治せばよいのか。
それは、心に直接触れるものでなければ治せません。
それこそが音楽であったり、心理療法であったりします。
つまり、音楽は心を”治療”するほどの、大きな力をもっているのです。
我々は普段、意識しませんが、それほど影響力があるのです。
また、音楽は「食べる」「寝る」などと同等なほど、
人間の活動に組み込まれています。
諸説ありますが、音楽は進化の過程で築かれてきたものとされています。
動物が求愛行動のため、美しい声で鳴いたりと、
より「音楽性」が優れたものが子孫を残すことができました。
それが脈々と受け継がれ、今、人類の遺伝子に組み込まれているのです。
つまり、クモが誰からも教わらず糸を出し、巣を作ることができるように、
人間の遺伝子には、音楽を求めるようになっているのです。
大げさに言えば、音楽は遺伝子の記憶に直接働きかけることができるのです。
人間に、生活に音楽は必要か?
そんな質問はナンセンスなのです。
食べるのと同じくらい、音楽は大切なのです。
その音楽をもっと、大事に我々は残し、伝え、
発展させていかねばならないと思うのです。